今回は、コロナ禍における医療機関のマーケティングの変化と、マーケティングを成功させるために必要なクリニックの分析やターゲティングについて、ご紹介します。
目次
コロナ禍における医療機関のマーケティングの変化
緊急事態宣言によって受診控えをしていた患者さんも、月日の経過とともに継続的に医療機関にかかる方が多い印象を受けます。
ただ、なかには「受診は必要最低限にしておこう」という意識もまだまだ残っている患者さんもいます。
「このクリニックだから通いたい」という決め手があるかどうか、また競争の激しい地域においては、“医院経営の二極化”が進んでいくように思います。
医院経営の“二極化”とは?
医院経営の特徴のひとつが、”患者さんになり得る人数は決まっている”ということ。
診療圏の範囲内で、競合他院と患者さんを取り合うこととなります。
需要よりも供給が多ければ、当然競争は熾烈化しますし、需要よりも供給が少なければ、良いバランスを保ちながら各医院が共存することができます。
これを医院経営の“二極化”と呼んでいます。
都心部に行けば行くほど、前者のように競争は熾烈化し、地方に行けば行くほど、後者のように共存関係が成り立っている印象です。
しかしコロナ禍によって、このような関係性も少しずつ変化しています。
コロナによって変化した集患対策
主な変化としては、好立地のためにこれまで対策をしなくても患者さんが来ていたようなクリニックや、特に集患には困っていなかったようなクリニックが、患者数の減少により危機感を募らせるようになりました。
そのため、ホームページを新しく立ち上げたり、リニューアルを検討したりするなど、新たな集患対策を検討するケースが増えています。
一方で、コントロールできない部分があるのも事実です。
明日、近くに新しい医療機関が開院したり、近所の医療機関が閉院するかもしれません。
開業医が増える一方で、廃業していく医師も増えていきます。
誰も、これらの部分をコントロールすることはできません。
ですが、日本全体で考えれば、総人口はまず減っていきます。医療機関の需要も減っていくこととなるでしょう。
だからこそ、リスクヘッジのためにも、何らかの対策を考えておく必要があります。
患者さんにどう選んでもらうか
「思ったより患者さんが戻ってこない」「良い医療を提供しているはずなのに、そこまで評価されていないような…」
そんな場合に考えられる原因の一つとして、ターゲットに対して、うまく訴求ができていないという点が挙げられます。
例を挙げると、競争の激しい地域であれば、単純に地域の診療圏内で、院長の病院・クリニックが埋もれてしまっているという場合があります。
この場合には、「地域の患者さんにどうやって選んでもらうのか?」がとても重要な課題になります。
一方で、専門的な治療を行っているにも関わらず、それが周知されていないというケースもあります。
専門的な治療を行っている場合は、必然的に診療圏は広くなります。しかし、広い地域の方に告知のできるホームページ対策などをおろそかにしてしまうと、ターゲットに対してうまく訴求ができず、来院につながらなくなってしまいます。
自院と比較検討される医療機関があり、その中で「選ばれる医院」になっていく必要があるのです。
その方法を一部ご紹介します。
他院と比較して強みを見つける
※SWOT分析
SWOT(スウォット)分析とは企業や事業の現状分析をするときなどに使うフレームワークです。強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の頭文字をとったもので、この4つの要素を用い、環境分析を行います。この4つの要素は自院がおかれている経営環境の「内部環境」と「外部環境」に分けられます。 現状を分析し、方向性や改善点を見つけるために有効な手法のひとつです。 |
SWOT分析を用い、他院と比較
SWOT分析で自院の分析をする際には、全国の院と比較するのではなく、院の診療圏内(=おおよそ半径3キロ、地方なら5キロ)の中で他院と比較することをおすすめします。
診療圏の異なる医療機関と比較する必要はありません。
- 先生の人柄
- 人間的な魅力
- 院長の経験
- 院長の考え方
- クリニックの志や信念
- クリニックの立地
- スタッフの人柄や接遇力
など、多くの強みが出てくると思います。
例えば、「クリニックや設備が古い」というのは弱みになりがちですが、「経験や伝統のある老舗医院」と置き換えることもできます。
打ち出し方によって、ネガティブな要素をプラスに転じることができます。
その事実をどう捉えるか?ということが強みの発掘には必要です。
医院の強みを活かすには
小~中規模のクリニックこそ、ランチェスター戦略(※)のように強みを絞り込んで目立つ戦略が有効です。
発信の仕方を絞ってみるのもひとつの手です。
「たった1人の患者さんをどうやって喜ばせるか?」を考えてみてください。
自院が一番喜ばせられるターゲットは誰かを考えて、自院の強みを発信をしてみてください。
ターゲティングによって何が変わる?
ターゲティングによって得られるメリットは以下の4つです。
- 強みがより磨かれる
- クリニックの運用や患者さんへの対応が楽になる
- 仕組み化しやすく、マニュアルも作りやすい
- 強みをきっかけに認知度があがる
その”専門性の高さ”が患者さんにとっては、信頼度につながります。
このようなターゲティングが成功すると、遠方からの集患も見込めるようになります。
ターゲット層の絞り方
長年運営されている医療機関であれば、満足度の高そうな患者さんやリピーターを分析してみてください。
新規開院の医療機関の場合は、勤務医時代に診療して喜ばれていた患者さんがどんな方であったかを振り返ってみてはいかがでしょうか。
ターゲティングでありがちな失敗例
「ターゲットを絞ってしまうのが怖い」という思考は、マーケティング(選ばれる仕組み)の障害になります。
いざマーケティングに取り組んでみようと一念発起した院長。
しかし、すでに一定数の患者さんが来院しているため、ターゲット層以外の患者離れが気になって踏み切れない…。
このようなケースをよく耳にします。
院内の見せ方を大きく変える前に、インターネット上でターゲットを絞った情報発信を行い、テストマーケティングを行うというものです。
まずは小さく始めてみて、反応がある場合には、資本を投下して大きく拡げていけば良いですし、反応がない場合には、早々に撤退することができます。
マーケティングの成功には試行錯誤が必須
実際にマーケティングに取り組んで、仕組み化までできている医療機関は、全体の5%程度といわれています。
マーケティングの成功には、実行→検証→改善のサイクルをいかに継続していくかが大切になります。
ホームページやLINE公式ページ、ニュースレターや動画配信など、発信を始めることは意外と簡単ですが肝心なのは「継続的な発信」。
継続的な発信ができている医療機関は、自院のスタッフや事務長などマーケティングの専任社を任命するか、外部にアウトソーシングして情報発信しているケースがほとんどです。
株式会社まるでは、「自院の強みが分からない…」「方向性を決めかねている」そんな院長先生のお話を伺いし、客観的な視点から医院のマーケティング成功させるためのお手伝いや、情報発信のアウトソーシングを承っております。
まずは貴院の置かれている環境分析から始めてみませんか?
カタログ ダウンロード
株式会社まるのことを詳しく知りたい方や、
院内でのご検討に資料が必要な方は、
こちらよりダウンロードしてください。
株式会社まるは、「愛と感謝で世の中をまるくする」という理念のもと、オンリーワンの医院経営をしたい医院経営者の支援を行っております。
人と同じことをしたくない医院経営者に向いている会社です。
大量生産をしない完全オーダーメイドのホームページ制作や、自分らしい医院経営を実現するためのブランディング支援を行っております。
WEBマーケティングによる集患、採用支援、女性マネジメント支援、経営支援など、定型化されたサービスではご満足することができなかった医療機関様にご依頼いただくことが多いです。
当社の経営方針は、三方良しのビジネスを実践すること。売り手よし、買い手よし、世間よしのビジネスを実践し、サポートを通じて、医療業界に貢献したい。そのために、成果につながるサービス提供にこだわっております。
オンリーワンの医院経営を目指す方、一体感のある経営を目指す方、第2象限(緊急ではないけど、重要なこと)に取り組んでいきたい方、新規開業を考えている方は、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。