前号:クリニックの現状把握できていますか?

採用氷河期。求人倍率は全業種、全国でみても売り手市場。医療業界においても売り手市場が続いています。

厚生労働省から公表された平成29年3月(最新)の平均有効求人倍率は、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師のカテゴリーでおよそ6倍です。

6院で1人の医師を取り合っている状態です。これが歯科衛生士などになると、名古屋で20倍程度、東海圏でも、10倍〜15倍になってきます。

そんな中で、求職者の欲求というのは、どんどん変わってきています。

現代の欲求

マズローの欲求5階層説というのは、一度は耳にしたことがあると思いますが、今の時代は、ますます「所属と愛の欲求」「承認の欲求」を欲している人が多いと感じています。

人間の欲求は、下位の欲求が満たされていくと、上へ上へと求めるものが変わっていくというものです。

現代は、食も睡眠も満たされている。これまでの人生で水も飲めず、食うに困ったというような人生を送って来た若者はほとんどいないと思います。生理的な欲求は満たされている人が多いわけですね。

そして次の段階の「安全の欲求」。今の日本で、安全が脅かされるということはほぼありません。安全な環境にいたい、経済的に安定していたい、良い健康状態を維持したい。こんな欲求も満たされた若者が多い。

だからこそ、次の段階の「所属と愛の欲求」。

この欲求を求める人が増えています。これは仲間が欲しい、つながりが欲しいという欲求です。家族や集団をつくってどこかに所属しているという満足感を得たいという欲求。

医院求めるもの

医院を通して、そこで働く仲間が欲しいんですよね。

以前、とあるIT企業と協業していた時に、在宅ワークをしていたデザイナーさんがいたんですが、その人、仕事はどこでもできる!ということで自らの意思で在宅ワークを志望したんです。

しかし、数ヶ月後、やっぱり会社に行って皆と働きたい!というふうに懇願していました。どこかに所属していたい。そんな欲求があるんだなということをその時にも感じた覚えがあります。

特に女性のスタッフさんが多い医療機関においては、「所属と愛の欲求」を欲している人が非常に多いと思います。

女性が魅力的なのは「共感思考」が強いということ。女子会をすると、話が止まることはなく、永遠に共感し続けることができる。わかる〜!超わかる〜を連呼する。男性からすると「?」が浮かぶこの状況も女性からすると当たり前です。

そもそも、男性と女性が持っている思考回路は全く違う。男性には男性の思考のクセ、女性には女性の思考のクセがあります。この辺の話は今回のテーマとはずれるので割愛しますが、女性が「共感」をするにも、“仲間”が必要なんです。

「つながり」が欲しい

話は戻って、現在では会員制ビジネスや協会ビジネス、経営者の会などなど、ものすごい勢いで流行っていますよね。

これも、「所属と愛の欲求」を満たす行為ともいえます。

誰かとつながっていたい。同じ志の仲間と繋がっていたい。そんな欲求が高まっているからこそ、こういったビジネスが広がっているんじゃないかとも思っています。

現代は、「つながり」を欲している人が多いんです。

そんな中、経営者である皆さんはどのようにして、求職者さんの「所属と愛の欲求」を満たしていきますか?

どうゆう取り組みをすると、求職者さんが仲間になりたい!とやってくるでしょうか?

そのためにまずできることはなんですか?

そもそもどんな人に仲間になって欲しいんでしょうか?

そんなことを考えていくと、まだまだ無限にできることはありそうですね。

次回は、4つ目の欲求である「承認欲求」にフォーカスを当てます。

NEXT>>スタッフの承認はできていますか

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