採用にも、直接採用と間接採用の2つの種類があります。
この記事では直接採用の方法や魅力、今の採用の傾向などをお伝えしていきます。
目次
直接採用とは
人材紹介会社や、成果報酬型の求人媒体等を介さず、自院のホームページや、院内POPを掲示するなど院内で完結する採用のことをいいます。
株式会社まるでは医療ブランディングの中で採用サポートをさせていただくことが多いのですが、直接採用をオススメしています。
直接採用がオススメな理由
採用コストを削減できる
代表的なものは以下の2つです。
1)人材紹介会社経由の採用
手数料が採用予定者の年収20〜30%程度かかります。医師300万、歯科医師で100万、看護師80万、歯科衛生士70万ほど費用がかかるということです。
2)大手有料求人媒体経由の採用
媒体によりますが、2週間の掲載で30万円〜40万円、高いところだと、4週間の掲載で100万ほどの費用がかかります。
さらに人材紹介会社経由の場合ですが、仮に採用できてもコストがかさむことに加えて、早い段階でクリニックの方針や価値観に合わずに退職してしまうことが多いようです。
医療機関と求職者とのミスマッチをなくすことができる
ミスマッチとは、入職してすぐに辞めてしまうことです。
医療機関の理念を理解していないエージェントが間に入ることが原因のひとつと思われます。採用に関しての「目的のズレ」が生じるからです。
エージェントの目的:クリニックに求職者を入職させること
医院の目的:医院に合った人ができるだけ長く勤務してもらうこと
<実際にあったこんな話>
A歯科医院様が人材紹介会社を経由して歯科衛生士を採用。 その後、同一のエージェントに他の職場を紹介するよう依頼し、B歯科クリニックに再就職する。 |
直接採用のデメリット
デメリットは、継続的な労力が必要なことです。
そのため、株式会社まるでも無料媒体を使ったり、応募者の方とのやりとりを代行したりと適宜、お客様のフォローをしています。
採用を行う3パターンの医療機関
1.拡大思考の医療機関
今の医院だけに留まらず、将来的なビジョンを達成するために医院を大きくしていくパターンの医療機関です。
人が継続的に必要になっていきますので、採用活動に相当な時間と労力をかけています。採用活動の勝ち負けは単純で、どれだけ時間をかけているか?です。採用において、1番強者であると言えるでしょう。
2.拡大思考はないが、計画的に人を確保したい医療機関
半年先、1年先、スタッフさんの退職、産休を見越して計画的に採用を行う医療機関です。スタッフさんとの人間関係も良好な関係であることが多いので、そのことが魅力となり、採用活動にはそこまで苦労しないことが多いです。
3.人が急にやめて場当たり採用を余儀なくされる医療機関
このパターンが一番労力が必要です。なぜなら、『内部の人間関係』の改善と、『採用』を同時に行う必要が出てくるからです。
人が急にやめるのは、多くの場合が『内部の人間関係』に要因があります。また、人が必要な期限が迫っているので、焦って採用することになります。しかし、焦って人を採用するとロクなことがありません。
有料求人媒体の落とし穴
例えば、某大手の求人媒体にかかる費用は2週間でおよそ30万円程度。しかし、現在は売り手市場のため、なかなかすぐに求職者の反応が得られません。平均値は2週間で2~3件の反応といわれています。
そうすると、「せっかく30万円も出したから・・・このうちの誰かを選ぼう」という心理が働いてしまいます。『比較的合いそうな人』という判断の仕方になるため、医院の理念に共感していなかったり、ビジョンが大きく異なったりして、最終的に医院に悪影響を与える可能性も出てきます。
人材紹介会社が人気の理由
求職者の声
- 直接やりとりをしたくない
- 在職中に転職活動をする時間がない
- エージェントに情報を見てもらい、合いそうなところを受ける方が楽
医療に従事する求職者の傾向が、後押しになっているようです、
しかし、中には直接やりとりがしたいという方や、自分の目で見て話して、職場を判断したいという方もいらっしゃいますので一概に言えないのも事実です。
求職者への対応
例)応募から一連の流れ
応募→書類提出案内の返答→提出書類確認→面接日程の調整→1~2回の面接→合否連絡→入職に向けたやりとり |
しかし、対応が遅くなると求職者が離れてしまい、採用につながらなくなったということも起こりかねません。そのためスピードが重要になってきます。
ここで注意が必要なのは、何院も並行して応募している求職者もいるため、対応内容が入職するかの判断基準になっているという点です。とはいうものの、応募者全員にものすごく丁寧に対応していたら、莫大な時間がかかってしまいます。
求職者のチェックポイント
そのため求職者の対応を見ながら、ある程度人物像を精査する必要も出てきます。
- ・メールや電話でのやり取りに問題はないか?
- ・期日以内に書類提出をしたか?
- ・院長と他スタッフに対する態度に差異はないか?
基本的なことだからこそ、厳しくチェックしておくべき項目です。
他にも一緒に働くことになるスタッフが、大切にしたいことや、どういうところが気になるかなど
あらかじめ聞いておいて、判断基準に加えることも長期的な雇用につながるポイントです。
株式会社まるの採用フォロー
主に以下のようなお手伝いをしています。
<株式会社まるのサポート内容>
1)院長と求人内容などの打ち合わせ 2)無料媒体への掲載代行 3)応募者への対応(書類案内等) 4)書類選考+院長への確認 5)面接日案内 ——-ここから院長に直接求職者と関わっていただきます——- 6)面接(必要に応じて、まるスタッフ同席) 7)入社時書類作成代行・入職後の教育体制準備 (マニュアルの作成、整備など) 8)スタッフ面談 |
「どんなことを大切にしているのか」といった方向性が明確になっていないと、ミスマッチが起こる可能性が高くなってしまいますので、理念や目標を明確にすることからスタートする場合もあります。
また、入職後の体制が整っていない医院もあります。口頭だけで手順を伝えるというような風土が根付いてしまっている場合ですが、新入職員からすると大きな戸惑いになります。
そういった場合は、株式会社まるで労働環境を整備するお手伝いもしています。そして、入職したら終わり!ではなく、その後もスタッフの現状などを知るために、株式会社まるが第三者の立場で面談することもあります。(※ご希望のお客様のみ)
状況に応じて、ただ人数を確保する必要がある場合などは人材紹介会社も絡めるケースもあります。
採用サイト
クリニックのホームページとは別の採用専用ホームページのことです。
<主な掲載内容>
- 理念や働き方
- 1日の流れ
- やりがい
- 福利厚生
- 人間関係はどのようか
採用パンフレット
普通の企業では、主に転職フェアや合同説明会などで配布し、求職者に入社を促すための資料として使用されています。 医院でも常時置いていたところ、患者さんの目についてそこからスタッフになったというケースもあります。
専門学校や大学に送ることも多いです。総合病院では目にするようになりましたが、クリニックで採用パンフレットを作成しているところはまだ少ないので、手にとっていただけることが多いツールです。
ただ人数を集めるためだけのものではなく、面接の際に使用することでミスマッチを防ぐツールとしても活用できます。
なぜならミスマッチは、院長と求職者が理解し合えていない、もしくはその状態に気づいていないために起こることが圧倒的に多いからです。
オススメの無料求人媒体
オススメ媒体はこちらです。
その他ハローワークや女性医師バンク、ナースセンターなどもよく活用しています。
掲載内容
反応を得るためには、以下の内容を必ず掲載するようにしています。
・募集要項に医院の魅力や求めている人物像を明記する
・医院の雰囲気が分かる写真を掲載する
・求職者が「働きたい」と思うような内容を心がける
・他院と比較されたときに選ばれるような文言を選ぶ
ただ、かなりの手間がかかります。ハローワークやIndeedは掲載後も更新が必要になるので、定期的にフォローしなければなりません。
採用対策に力を入れよう
集患に関しては、時季によって母数が変動しますが、採用に関してはその地域で働ける人の上限はある程度決まっています。
診療圏内のライバル医院が新規開業したり、採用に力を入れはじめた場合、それが求職者にとって魅力があるものになると、確実に人材が流れていきます。
働く職場は、実際には入職してみないと分からないことが多いため、「何だか良さそう」という印象で入職を判断する人が大多数です。
例えば院長がいかに素晴らしい人で患者さんからの人望が厚かったとしても、受付や看護師、歯科衛生士といったスタッフがいないと医療機関は回っていきません。
それにもかかわらず、これまで採用対策には力を入れていない医療機関が多かったのが現状です。
発信内容のポイント
・スタッフ情報
採用に力を入れている院の特徴は、スタッフさんが全面的に力を貸してくれているところです。個人情報の絡みで、求人媒体にスタッフ写真を掲載することすら結構ハードルが高い状況です。
だからこそ、スタッフの写真が掲載できるだけでも、医院の強みになります。
スタッフインタビューが載っている医院も強みになります。なぜなら入職すると、一番身近な存在になるのは、院長ではなく一緒に働くスタッフです。
どのようなスタッフが働いているのか?どんな状況で働いているのか?を知りたいと思うのは当然のことなので、それだけでも目に付きます。
・医院の理念
それ以外に、「将来的に医院はどこを目指しているのか」「どんなことを大切にしているのか」を明確に打ち出している医院も力を入れている医院といえます。
考え方を打ち出すことで「何だか良さそう」という印象を持ってくれる求職者からの応募が期待できます。ミスマッチも防げるということです。
逆に、力を入れて発信を続けていても内容によっては失敗することもあります。
採用を失敗したときにするべきこと
辞退されてしまった時に大切なことは、こちらが求職者を選ぶ側ではなく、求職者に選ばれる立場としての体制づくりができているのかを確認することです。
もちろん、採用においてこちらが選ぶ要素も少なからずありますが、自院が求職者に選んでもらえる医院なのかを常に考えることができているでしょうか。
働きやすく、かつ魅力的に見える体制を整えなければ、内定辞退はゼロにはならないかもしれません。
実は、まるでも内定を辞退されたことがあります。しかし、辞退 =『自社改善のお知らせ』として受け取ることにしました。
なぜ自社が選ばれなかったのか、原因があるはずです。そこを深堀りし、改善していくことで組織の魅力が増していきます。実際に、アピールポイントや広告の出し方を変えたことで、さらに良い人材の採用につながっています。
労力はかかりますが、直接採用でしかこの視点は得られません。これも“直接採用”の魅力の一つです。ただトップだけではできることが限られるため、いかにスタッフを巻き込めるかということがポイントですね。
新卒採用・中途採用について
新卒・中途採用、それぞれに期待できる役割は?
・新卒:5年後の大きな力
先輩スタッフが教える過程で、自然と教育体制が整うことも大きなメリットです。
新卒スタッフが育つような教育体制が整っていれば、その後に新入職員が入ったときも安心です。しっかり育ってくれると、5年後には中堅としてかなり力をつけている状態になります。
また、40〜50代のスタッフが医院の中心になると、どうしても若い人は入りにくいものです。一代で閉院するつもりであればそれで良いかもしれないですが、後継を考えている場合は、若い力を入れることも必要です。
『新卒のスタッフがいる』という点が、若年層の求職者における魅力としてもPRできるポイントになります。そのため即戦力にはならなくても、新卒採用を定期的にすることは医院にとって重要な意味があるのです。
・中途:組織の底上げ
医療機関は女性を中心とした組織であることが多いので、産休・育休・介護休暇で急に人員が欠けてしまうことがあります。いなくなることが決まってから募集をしていては遅いです。
いなくなってから募集をする=急いで採用する必要があるため時間がない、ということになります。焦って採用してしまうと、各々の求職者をきちんと見ることができません。
それに、医院の思いや理念などをあまり伝えられない状態で採用することになります。実際、その状態で採用した人の影響で、組織のバランスが崩れる例も目にしました。
そうならないためにも、常に門戸を開くこと。そして、「当院に必要」「採用しても大丈夫」という人材がきたときに、入職してもらえるような下準備をしておいていただきたいです。
前述した“場当たり採用”をしないためにも、日ごろから直接採用に力を入れる。つまり無料媒体での求人広告に加えて、採用サイトの作成や、採用パンフレットなどが有効になると思います。
(おまけ)株式会社まるスタッフの就職活動方法やまるに入社を決めた経緯
新卒スタッフ
・新卒はとにかく内定をもらうために数を打つ!が、その中でも優先順位はつけている
・何社かの内定をもらう前提で受けて、最終的にどこに入社するかを決める
・周りには、休みや福利厚生などの条件面を優先する人が多い
・同じ職種の場合、特に自分にとって魅力的なところを選ぶ
・面接を受けて「合わないな」と判断する場合もある
・同じ職種かつ条件が同等の場合、直接問い合わせできるところを選ぶ
(間接的なやりとりだと社内の雰囲気がつかめないから)
中途スタッフの意見
・求人情報は量より“質”を見る ・自分の能力を活かせるか
・自分のやりたいことができるか(仕事内容・働き方・時間等)
・自分に合うか合わないか ・現在の不満がどう解消されるか
・経営者が嘘をついていないか ・スタッフの声をよく見る
・謳っている内容は本当なのか (・全員顔出ししててすごい)
まるの採用サイトへの意見
まる採用サイトはこちら
・普段の仕事内容や、雰囲気が掴める
・求めている人材やポリシーをあらかじめ知ることができた
・自分のあり方や将来像に、会社のビジョンがマッチするかを判断できた
・入社後のギャップが少なかった
・働いているイメージができた
直接採用の魅力について、いかがでしたでしょうか。
採用活動において、共に働く仲間として適正があるのか見定めることも大切ですが、求職者に選ばれる医院であることが大前提となります。
まずは公式サイトに募集内容ページを作ってみたり、教育制度を決めてみたり、スタッフさんも巻き込みながらできることからやってみてくださいね。
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株式会社まるは、「愛と感謝で世の中をまるくする」という理念のもと、オンリーワンの医院経営をしたい医院経営者の支援を行っております。
人と同じことをしたくない医院経営者に向いている会社です。
大量生産をしない完全オーダーメイドのホームページ制作や、自分らしい医院経営を実現するためのブランディング支援を行っております。
WEBマーケティングによる集患、採用支援、女性マネジメント支援、経営支援など、定型化されたサービスではご満足することができなかった医療機関様にご依頼いただくことが多いです。
当社の経営方針は、三方良しのビジネスを実践すること。売り手よし、買い手よし、世間よしのビジネスを実践し、サポートを通じて、医療業界に貢献したい。そのために、成果につながるサービス提供にこだわっております。
オンリーワンの医院経営を目指す方、一体感のある経営を目指す方、第2象限(緊急ではないけど、重要なこと)に取り組んでいきたい方、新規開業を考えている方は、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。