今日は名古屋市にある、『鉄』で新たなジャンルへ挑戦し続ける80年以上続く老舗企業へ伺いました。
経営の勉強のために現場を見せていただくことにしました。
X社長は、創業者でも二代目でもなく、奥さんのお父さんの会社を引き継いだ方です。
もともとはパソコンを触っていた仕事をされ、ご結婚を機に、会社を継ぐことに。
継ぐことになった20年前は今の社員数の半分。(現在は160名)
倒産寸前の頃も経験し、改革をおこしてきたお婿さん社長なんです。ご結婚された当時は、鉄の「て」の字も知らない20代。専門知識もなく、ゼロ知識のX社長は、夜間に大学に通い勉強をされたそうです。
そして、先代の頃からいる社員さんにがむしゃらに食らいついた。
さらに先代がつくった、「理念」も「方針」もがらっと変えた改革者です。
昭和初期から続く老舗企業ですから、X社長が会社に関わる前からいた社員さんたちからも反発があったそうです。
自分より年上の人にも、反発され、
辞めていく人もいた・・。
ですが、X社長は決めていたことがあったそうです。
「理念」に魂がこもっていなければ、
誰もついてこない。
そんな理念だったら、いらないと。
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(X社長)
多くの企業は「理念ありますか?」って言ったら、
ありますよ。ホラって、会社の案内見せてくれたりするよね。
理念の言葉事体を言うことはあっても、その背景を語れるTOPは数少ない。
その理念が社員さんまで浸透していないって事が多いよね。
それって意味が無くないか?
それじゃぁ、なんのための理念かっ?ってこと。
会社が目指す方向をTOPの経営者が魂こめて伝えていかなきゃ、昨日言ったことがまた今日違うって社員さんが思ってしまうでしょ。
だから、言い続けることが必要なんだ。
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学んだことをまとめます。
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1)中小企業は仕組み化に時間をかけていない。
だから経営者がいないと回らない依存体質になる。
脱却するのは覚悟と決意と言い続ける。
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2)共有できる仕組み、競わせるしくみ。
”△(三角)は無い、◯か✕か”
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X社長に事業計画書や細かい報告書を見せて頂きました。
その報告書には、ごみ袋の消費量までわかるグラフが!
TOPが細かい部分も知る、共有の仕組みが徹底されていました。
この仕組み、岡崎市のすまいる歯科の山村院長も
恵那市の株式会社ナカヤマの田中社長も
あらゆる「人」を大切にする実際にお会いしたことがある経営者さんが、おっしゃっていたことです。
経営の共通点が繋がった感覚がありました。
その報告書の中には、毎月の目標設定シートのようなものがあって、振返りをおこない「✕」か「◯」をつけていて、各部署ごとに、その◯の数を競わせているそうです。
(X社長)
◯はみるけど、なぜ✕か?を考え、対策を考えることが大切なんだ。
✕の数と◯の数どっちが多い方がいいか?っていうと、◯だよね。
だから、うまくいかなかった✕をいかに◯に近づけるか?ってことが大事なんだ。
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3)依存体質の脱却、常に未来を見据える
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(X社長)
中小企業というのは、いつまでも下請け関係のような経営者に依存型の体質であってはならない。
だから中小企業が生き残る道は依存しない多角化なんだ。
倒産ギリギリだった、20年前。
一つの事業で、下請け90%だった当時、その元請けが離れたら、どうする?しか考えない状態だったそうです。
その時依存体質から脱却しなければならない!と決めた。
理念も方針も変えた。
(X社長)
変えるには、2年以上かかった。
最初は、自分についてくる人なんてほんの1人や2人。
でも言い続けることで、だんだん変わってきた。
X社長派:反発派の推移
2:58
↓
5:55
↓
10:50
って、だんだん賛同してくれる人がいるようになってね、
今も全員賛同してくれているとは思わない。
だから言い続ける。
それは社員さんに浸透するように、
噛み砕くということ。
かっこいい言葉なんかじゃなくて、
伝わるのは、もっと簡単なわかりやすい言葉なんだ。
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全体に対して、賛同者が1割になった時、流れが一気に動きが変わったそうです。
仲間がいなくても、
動く。
仲間が増えることで
もっと動く。
理念が浸透するには、面接時に、会社が選んでもらうかわりに、自分たちも会社説明会で理念をしっかり伝えている。
製造業だからって、トップダウンの指示待ちじゃいけない。
うちはいつも創造することを求められる会社なんだよ。
「それでも大丈夫?」って。
伝わるように伝えて、
それでも入社する人と一緒にやっていきたいよね。
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「人を大切にする経営者さんの3つの共通点」
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1)朝礼を大切にする。
X社長はどんなに夜中になっても、必ず朝7:40には一緒に朝礼に出て、ラジオ体操をするそうです。
2)情報の見える課
「経営計画フォーマット?欲しけりゃあげるよ!」
3)前向き・社員さんへ還元。
リーマン・ショックの時も、バブル崩壊後もどんな時も、前を向いている経営者がいる。
言い訳を絶対しないで、ユーモアを含めてお話される。
売上を社員さんに還元しているというのを社員さんも実感しているということ。
そしてコミュニケーションを大切にしている。
尊敬しあえる良い関係ができあがり、人が人を呼ぶ関係ができている。
最後に・・・。
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X社長が28歳の頃、
何をしていてそのようなお考えになったのでしょうか?
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結婚したてくらいだったし、知識も経験もなかったからがむしゃらだった。
大事にしていることは、
「求めず与える」
どんなことにも無駄なことなんてない。
だからあなたに時間をとっても、
私は今、何もメリットはない。
だけどそれは無駄なことではない。
「ファーストインプレッション」を大事にして、
この人なら大丈夫って、
自分の直感を信じているんだ。
***
海外出張からお戻りになった直後にも快くアポイントを下さったX社長、
貴重な時間を割いてくださって、本当にありがとうございました。
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