理想の患者さんって？マーケティングのお話

前号：スムーズな医院経営は◯◯層の教育が大事

今回は、マーケティング（選ばれる仕組み）についてのお話です。

マーケティングとは、“売れる仕組み”を作ること

医院でいえば、患者さんが常に順番待ちをしている状態。いわゆる“集患”に関する悩みが消える状態。そして税引き後の利益から借金返済をしても、手元にどんどんキャッシュが残り、次への投資や内部留保ができる状態を作ることが理想だと思います。

医院の存続・発展を考えた時、“集患・リピート戦略”は医院の生命線です。これだけ競争が激しい時代に、マーケティングを疎かにしていては、ゆくゆくは廃業・倒産につながってしまいます。

患者さんがいなければ、腕が良くても倒産する

腕が良ければ大丈夫。確かな技術を提供すれば大丈夫。そんな時代ではないですよね。いくら素晴らしい技術があっても、患者さんがいないことには提供できないのです。

どれだけ技術を磨いても、どれだけ社員さんを教育しても、患者さんを見つけることが出来なければ医院は潰れます。

資本力のある大きな病院でも、資本力の少ない小さなクリニックでも同じで、医院は患者さんを見つけられないから倒産する。これは間違いない事実です。

一日が診療時間だけで終わるのは危険

あなたはマーケティングについて持論を持っていますか？どんなことに時間を割いていますか？一日の業務の中が、患者さん対応だけで終わっているとしたら、それはとても危険な状態です。

マーケティングや経営に正解なんてものはありませんが、自分なりの答えを持っておくことはとても重要だと思います。

さて、ここで一つ質問です。

この質問にすんなりと、答えが出てきた方は、さすがです！

ここが明確になればなるほど、あなたの医院のファンは増えていきます。逆に、不明確であればあるほど、誰の目にも止まらない、何の個性もないマーケティングが出来上がります。結果的に患者さんには選ばれません。

私がホームページの制作で携わる中で困ってしまうのが、誰に喜んでもらいたいのか？が不明確な院長です。逆にとてもやりやすいのがターゲットが明確な院長です。

激しい競争で1番になる第一歩は、「絞る」

マーケティングの世界では、1番手が選ばれます。2番手、3番手ならまだしも、それ以降は相手にされません。

でも、この競争の激しい中、どうやって一番になればいいのやら…。業界のリーダーならば、全ての分野で一番を狙うことができますが、資本力の少ないクリニックではそうはいきません。限りある経営資源をフル活用して、効率的に事業展開をしていくためには、市場の中の特定の分野に狙いを定めていく必要があります。

特定の分野に狙いを定める。それがつまりあなたの医院の理想の患者さんを明確にするということです。

一番になれる市場を考えてみよう

あなたの医院の今の経営資源で、一番喜んでくれるターゲットはどんな患者さんですか？どの分野であれば、あなたの医院は一番になれますか？

「医療業界の中のトップを目指せ」これはさすがに無理があります。ですが、「◯◯市の中で、6歳以下の子どもを持つお母さんの1番になる」「◯◯市で、60歳の定年間近。健康に気を使う中高年の一番になる」これは可能じゃないでしょうか？

無理なら、◯◯市ではなく◯◯町で一番になる等、一番になれるところまで絞り込みましょう。

絶対にあなたの医院が一番になれる市場があります。

理想のターゲットを明確にし、その人達に、何を（診療・サービス）、いくらで（価格）、どこで（場所・チャネル）、どのように知ってもらうか、売り込んでいくか（販売促進）を考えていく。これが、マーケティングミックスという皆さんもどこかで耳にしたことがある考え方です。

ターゲットを絞ることで医院の価値が伝わる

それは違います。

ターゲットを絞ることで、医院に「個性」が生まれます。それによって、価値が伝わりやすくなって選ばれる。そして、ターゲットに伝えたい価値観や感性が、同じような価値観や感性を持った人にどんどん広がっていきます。

結果、地域において大きな市場を占める医院へとなっていきます。

もちろん、その価値観や感性に共感しない人も出てきます。

でも、全ての人に価値観や感性の共感を求めていたら、それこそ「ありきたり」になって、なんの個性もなくなってしまいます。

その人はあなたにとっての患者さんではなかったというだけなので、来てくれている患者さんを大事にすることが安定した医院経営の近道といえると思います。

 

次回は、マーケティングの具体的な手法にフォーカスを当てていきます。

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