新型コロナウイルスの蔓延が取り沙汰されて1年以上が経過しました。

医療機関全般に患者さんが戻りつつある傾向です。ピーク時に比べると、患者さんの受診控えに対する意識も緩和されてきていることを感じます。

熱、喉の痛み、咳などの感冒様症状の病気をメインでみていた医療機関はまだまだ厳しい現状がありますが、糖尿病や高血圧、高脂血症などの慢性疾患を主に診ている医療機関や、アレルギーや皮膚疾患を扱う医療機関、眼科や歯科にも随分患者さんが戻ってきました。

しかし、コロナによって、患者さんの心理が大きく変わってしまったということは紛れもない実感です。

変化後、選ばれるクリニックになるにはどうしたらいいのか?考えていきましょう。

1.感染対策の徹底

しばらくの間は「名医である」「待ち時間が少ない」「通いやすいクリニック」という魅力の前に、コロナ対策をしっかり行っていることが明確に周知されている医療機関が選ばれるといえます。

更に、患者さんの「コロナにかかりたくない」という心理に寄り添った対応ができている医療機関でないと、受診しようという選択肢の中にも入らなくなってくると思います。

自院のホームページと、院内掲示に、コロナ対策の取り組みを謳っていない医療機関は、まずはそこから取り組みましょう。

2.患者さんとの関係性の強める

不況の時代において、一時的に患者数は減ったものの早々に患者さんが戻った医療機関がありました。
その医療機関の共通点は、患者さんとの信頼関係が強いということです。

どんな状況においても受診が必要な患者さんがいる中で、数あるクリニックの中から選ばれるためも、どうやって信頼関係を築いていくのかは様々なやり方があるので、後述するとして、これからの医院経営においては、いかに「患者さんとの関係性を強めていくか」がとても重要になってくるといえます。

患者維持(=離反を防ぐ)のためのマーケティング

バスタブ理論を意識した医院経営

バスタブ理論とは、図で表すとこのようなものです。

バスタブをお湯でいっぱいにするためには、どんな対策をしますか?
鎌形
鎌形

この場合、多くの人が、まず“下の穴を塞ぐ“という行動をします。先にお湯の流出を止めます。その後、わずかでも上の蛇口から新しいお湯を注いでいけば、最終的にお湯は溜まっていくものだからです。

医院経営も全く同じことがいえます。

まずは既存患者さんの流出を止める。その対策を講じてから、わずかでも新しい患者さんを獲得することができれば、売上は上がっていきます。

初診患者さんを獲得し続けることはもちろん大事なことですが、それよりも重要なのは、既存患者さんとの関係性を強めていき、離反することを止め、何かお困り事が出た際に、必ず受診先として選んでもらえる状態をつくることです。

具体的に、離反対策としてできる取り組みをいくつかご紹介します。

既存患者の維持の課題

離反対策の取り組みとして、ニュースレター配信、LINEビジネス、YouTube、リコールはがき、年賀状、ノベルティグッズ、予約システム、アフターフォローなどがあがえられます。

しかし、残念なことにほとんどの医療機関が、このような“下の穴を塞ぐ(既存患者さんの離反を防止する)”ための対策を講じていません。

なぜ対策がされていないかというと、大きくはこの2つの理由で敬遠されているからです。

①手間がかかる

②成果が出るまで時間がかかる

約95%の医療機関では、離反防止策は実践されておらず、残り5%の一握りの医療機関だけが実践しています。実践できているクリニックがおのずと選ばれるクリニックになっていくのは容易に想像できますね。

人がやっていないことをやるから成果があがる

医院経営に限った話ではありませんが、成果があがりやすいのは“人がやっていないことをやること”です。

その意味では、既存患者さんの離反防止は、とても成果があがりやすい戦略です。しかも、こういった戦略は、表立って行われるものではなく、水面下で行われるものです。

だからこそ、ライバル医院に気づかれることもなく、着実に既存患者さんとの信頼関係を強めていけるのです。

おすすめはニュースレター×LINE for Business

LINE for Business

離反防止対策としてオススメなのは、ニュースレター×LINE for Businessです。

まず、LINEは、2020年3月末時点で、日本人口の67%。8,400万人のアクティブユーザーがいます。これはとても驚異的な数値です。いまや日本人のコミュニケーションツールとして深く定着しているツールです。

このツールを無視した離反防止策は、なかなか考えづらくなっております。これまで離反防止策の代表だったメルマガは廃れていき、LINE for Business(以下、LINEビジネス)の重要性はますます増していくでしょう。

また、LINEビジネスは、実店舗がある医療機関にはとても相性の良いツールです。顔を合わせて患者さんと接する医療機関の場合、患者さんに直接呼びかけることで、比較的簡単に友達登録をしていただけます。

ニュースレター

ニュースレターがなぜおすすめかというと、LINEビジネスとは異なった目的からアプローチできるからです。

ニュースレターの目的は、患者さんとの人間関係を育むことや、信頼関係を深くすることが最大の目的です。

少し話は変わりますが、患者さんが医療機関に通わなくなる要因は3つあるといわれています。

それは①忘れる ②飽きる ③必要性を感じなくなるです。

これら3つの要因にうまくアプローチできるのがニュースレターの良さです。定期的に情報を提供することで「この前書いてあったこの事なんですけど…」と患者さんからの質問が出やすくなり、関係性はより深いものになっていきます。

しかし、ニュースレターはセールスには向きません。ニュースレターで、売り込みばかりの内容を書かれてしまうと、読者さんは毛嫌いしてしまい、読んでもらえなくなってしまいます。

セールス×信頼構築

だからこそ、LINEビジネスとの併用がとても重要です。LINEビジネスの目的は、セールスです。「オンライン診療をはじめました」「○○診療をはじめました。このようなお悩みの方はご利用下さい」といったセールスにはとても有効です。

さらに良いところは、開封率>と<クリック率>の高さです。セールス文章を送ることで、確実に患者さんへ情報を届けることができます。

一方で、人間関係を構築するコミュニケーションツールとしては向いていません。例えば、あなたがある飲食店のLINEビジネスに登録したとして、その飲食店から1週間に一度、「今日は海に来ています。とても有意義な時間を過ごしています!」といったメッセージが届いたらどうでしょうか。「だから何?」となりませんか?(笑)

LINEで近況報告などを送りコミュニケーションを図ろうとすると、鬱陶しく思われてブロックされてしまうこともあります。

これらの目的の違いを理解して、ニュースレターで患者さんとの信頼関係を深め、LINEビジネスでセールスする。こんな流れが作れると、既存患者さん離反防止策で半歩先ゆく医療機関になれると思います。

医療広告ガイドラインの遵守を

医療業界には「医療広告ガイドライン」がありますので、ルールの中で取り組まれることが求められます。ニュースレターやLINEビジネスは、正しいやり方を選択することでガイドラインに抵触することなく実践することが可能です。

各自治体によって判断が異なる場合がありますので、判断に迷うような場面がでてきた時には、その都度、各自治体に確認することをおすすめしています。

当社でも、ニュースレター作成代行、LINEビジネス登録代行をおこなっておりますので、ぜひご相談ください。

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