前号:女性のマネジメントをどう考えるか

※新型コロナウイルス蔓延以前の内容です。

今は子連れ出勤を行っておりません。
2017−2019年頃に実施していた子連れ出勤について、「過去の経験談」としてお伝えしていきます。

やってみたからこそ気づいたことがたくさんあります。

子連れ出勤は、どのような業務を行うかによって、うまくいくケースとうまくいかないケースがあるように思います。

子連れ出勤のメリット

1.差別化になり採用コストが抑えられる

当時からとくに有料の採用広告には出していないのですが、採用の問い合わせが常にある状態で、正直採用に困ったことは一度もありません。

特に、20−30代の女性からの問い合わせが圧倒的に多いのですが、男性や新卒の方からの問い合わせもあります。面接が多くなりすぎて困ったぐらい反応があります。

それだけ「子連れ」で働いていいよ。という会社がまだまだ少ないのが現実です。子連れ出勤ができることを訴求するだけで、問い合わせ自体は非常に多くなります。

まだまだ採用に投資ができないというスタートしたての医院や会社にとっては、一つの武器になる可能性が高いです。

2.子育てに関する理解が深まる

まるには独身組のスタッフもいるのですが、子連れスタッフと子ども達とのやり取りがとても勉強になります。オムツ替えや、寝かしつけ、ご飯を食べさせてあげる等、子どもがいなければできないことが体験できます。

そして、自分の少し先の未来を実践している先輩ができるので、いざ自分が結婚・出産をするとなった時も、産んだあとに、職場復帰するイメージを持ってもらえます。

3.妊娠後の職場復帰が早い

子連れ出勤をしていたとき、「ママ制度」という制度がありました。この制度は例えば、その日に4人の子どもが出社してきた場合、4人の子どもの面倒を見る役割として半日ごとにママを決めています。

一人のママが、4人の子供のお世話をする一方で、残りの3人のママには各々の業務に集中してもらうという仕組みです。

この仕組みを使うと、出産後自分の体調さえ問題なければ、自分の子どもを連れてきて、普通に業務を行うことができます。

ただ、その分1人分の人件費が生産活動に使うことができないので、会社として考えるとそれなりの覚悟が必要です。

現在はこの仕組み自体はなくなってしまいましたが、代わりに、テレワークでの働く環境を整えたことによって、子供を保育園に預けながら、集中できる環境で自宅で仕事をしてもらっています。

子連れ出勤のデメリット・注意点

1.生産性は確実に下がる

先程のママ制度でもわかるように、4人の人手に対して、1人はママとして仕事ができない状態となります。そうすると、4人の人件費に対して、実際には3人の稼働ということになります。

だから実質75%ぐらいの生産力になります。しかも、親であるスタッフからすると、子どもを自分以外の人に任せるのは最初は気が気でない状態・・・。集中できないこともあります。

「我が子が迷惑をかけるのではないか」「こんなことまで頼んで良いのか」と不安になります。

我々のような、少し集中が必要な業務を行う会社の場合は、子供がいながらの勤務は相当厳しいかなと思います。

ただ、単純作業などが多いような業務の場合は十分子供を見ながら仕事をするということも可能だと思います。

2.集中スペースの確保

子どもの声が気になって集中できない人ももちろんいるので、配慮が必要です。

全体の生産力を上げていくためには、空間を分ける必要があります。

集中力を要するような業務の場合、途中で泣き声やいたずらが入ってしまうことで集中力をそいでしまうこともあります。その場合、端切れた集中力を戻すのは至難の業です。だからこそしっかりと集中する人の部屋と、子供が滞在する部屋を分ける必要があります。古民家に移転することで、そういった課題を解決することができました。

3.安全対策と仲間の理解が必要

子どもの行動は奇想天外。何が起こるかわかりません。誤飲や怪我、喧嘩などの安全対策とヒヤリ・ハット報告、同じことが起きない仕組み作りと仲間の理解が必須になります。

まとめ

ということで、子連れ出勤を行ってきた、まるのまとめとしては、基本的には仕事の時間と子育ての時間は明確に分けた方が親にとっても子供にとっても良いのではないかと思います。

保育園や幼稚園などの、子育ての支援をしてくれる場所に積極的に対応しながら社会復帰を目指していくというのがお互いにとって良いのではないかと思います。

ただアイデアや取り組む業務、子供の月齢によっては、一緒にいながら仕事をするということも考えられなくはないと思います。

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